岐阜で大腸ポリープ日帰り切除を実施|各務原の東海内科・内視鏡クリニック

大腸ポリープ

大腸ポリープとは

大腸ポリープ切除大腸ポリープとは大腸の表面にできる「イボ」のような病変のことをいいます。「ポリープ」というのは正確には病名ではなく、主に粘膜の表面から出っ張った病変の総称をさします。ポリープは大腸だけではなく、食道から肛門までさまざまなところにできることがあります。その中で、大腸にできたポリープを「大腸ポリープ」といいます。大きさは1mmから数cmまで大きくなるものまでみられます。大腸ポリープ自体は良性の場合も悪性の場合もあります。大腸のポリープは将来的に癌になっていくものもありますので、注意が必要です。

大腸ポリープの症状 - SYMPTOMS

ポリープは小さいと無症状ですが、大きくなると下記のような症状を起こすことがあります。

  • 便潜血検査陽性
  • 腹痛や下痢
  • 腹部膨満感
  • 血便

大腸ポリープを放置すると
大腸がんになる可能性があります

大腸ポリープは大きくなればなるほど癌の可能性が高くなります
5mm以下のポリープは癌化していることは少ないですが、報告により0.3%~3.4%の確率で癌が存在しているとされます。大きさが大きくなるにつれ徐々に癌の発生の確率も上昇していきます。10mm以上のものでは10~30%に癌がみられたという報告があります。
通常は6mm以上のポリープは切除をしたほうがよいとされています。しかし、当院では大きさにかかわらず腺腫やSSLといったポリープであれば、将来の癌化のリスクを踏まえて5mm以下のものも切除を行います。
大腸ポリープが過去にあると指摘された方は必ず定期的に大腸カメラ検査を受けるようにしてください。

 

 


大腸ポリープができやすい人はどんな人か?

大腸ポリープのリスクファクターに関する研究は多数行われており、その中でエビデンスが強く示されている因子は以下の通りです。

 

1.年齢

多くの研究で、年齢が大腸ポリープのリスクを高めることが示されています。50歳以上の個人は、大腸ポリープおよび大腸がんのリスクが顕著に増加します。

2.家族歴

家族内に大腸がんや大腸ポリープの既往がある場合、そのリスクは高まります。特に親、兄弟、子に大腸がんの既往がある場合、リスクは2倍以上になると報告されています。

3.遺伝的疾患

家族性腺腫性ポリポーシス(FAP)やリンチ症候群(遺伝性非ポリポーシス性大腸がん:HNPCC)など、遺伝的要因による大腸ポリープおよび大腸がんの高リスクは確立されています。

4.食生活

高脂肪・低繊維の食事、過剰な赤肉や加工肉の消費は、大腸ポリープおよび大腸がんのリスクを高めることが示されています。野菜、果物、全粒穀物を豊富に含む食事はリスクを低下させる可能性があります。

5.肥満

体重増加とBMIの上昇は大腸ポリープのリスク増加と関連しています。特に腹部肥満はリスクを高める要因とされています。

6.喫煙

喫煙は大腸ポリープおよび大腸がんのリスクを高めると広く認識されており、長期にわたる喫煙は特にリスクを増加させます。

7.アルコール消費

過度のアルコール消費も大腸ポリープのリスクを高めることが示されています。特に、日常的に多量のアルコールを摂取する人はリスクが高くなります。


大腸ポリープの種類

大腸ポリープにも様々な種類があり、代表的なものに腺腫とよばれるものや過形成性ポリープと呼ばれるものがあります。

大腸ポリープ腺腫は良性ですが、ポリープの大きさが大きくなるにつれ、癌が発生しやすくなるとされています。その他に癌化するとされているものとして鋸歯状病変(Sessile serrated lesion;SSL)と呼ばれるものがあります。

 - 大腸ポリープの種類一覧はこちら

大腸ポリープの種類
腺腫 -
鋸歯状ポリープ 過形成ポリープ
Sessile serrated adenoma
Traditional serrated adenomaなど
炎症性ポリープ Iflammatory myoglandular polypなど
過誤腫性ポリープ 若年性ポリープ
Peutz-Jeghers polyp
Cowden症候群など
その他 Inflammatory fibroid polyp など

 

腺腫やSSLなどの病変は大きさにもよりますが、大腸癌の予防をするためには基本的に切除をしたほうがよいとされています。切除は小さいものから10mm台程度のものであれば日帰りで切除可能です。それ以上の大きさのものは切除後に出血する可能性が高くなってきますので、入院での切除を薦めております。
当院では日帰りでの大腸ポリープ切除に対応しておりますので、ご相談ください

 

 


 

 

大腸ポリープ切除(日帰り手術)

大腸ポリープ切除(日帰り手術)大腸ポリープ切除は通常、大腸カメラを用いて切除を行います。

切除の方法は①ポリペクトミー②EMR(内視鏡的粘膜切除術)③ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)といわれる方法があります。ポリペクトミーやEMRはスネアと呼ばれる先端が輪っか状になった器具を用いて病変を切除をします。

①ポリペクトミー

切除の際に高周波電流を流して切除をするホットポリペクトミーと電流を流さずに切除を行うコールドポリペクトミーがあります。

ホットポリペクトミーは茎がしっかりとした0-Ⅰp型と呼ばれるようなポリープを切除するときに行われます。

コールドポリペクトミーは10mm未満のポリープ切除で適応があります。術後の出血が少なく、穿孔のリスクも少ないため、安全性が高く、通常よく行う治療法です。小さいポリープを切除するのに適しているため、日帰りでポリープを切除する場合にも相性がよいです。 当院でも日帰りポリープ切除はコールドポリペクトミーを行っております。

②EMR(内視鏡的粘膜切除術)

EMRは粘膜下に生理食塩水などの液体を注入して、病変を挙上させてからスネアを用いて病変を切除する治療法です。液体を注入することで病変が浮かび上がるため、平坦で切除が難しい病変でも切除を行うことが可能です。腺腫20mmまでの早期大腸がんなどの病変を切除する際に行います。

10mm以上の病変は出血などの合併症が増えたり、また癌化の可能性も上がりますのでEMRが推奨されます。20mm以上の病変は出血のリスクが高くなりますので、入院での切除を検討します。③ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)

ポリペクトミーやEMRでは切除が難しい大きな病変では電気メスのような器具を用いて剥離を行っていくESDという方法が行われます。ESDは入院での治療が必要なため、当院では行っておりません。

 

ATTENTION - 大腸ポリープ切除後の注意

  • 大腸ポリープ切除後に懸念されることは、出血です。切除直後は止血していても、遅れて後から出血することもあります。
    術後出血の可能性はおおよそ100人に1人程度です。
  • 大腸ポリープ切除の当日から1週間は飲酒や、心臓がドキドキするような激しい運動、長時間の入浴などは控えて下さい。
    また飛行機などに搭乗することも避けてください。
  • 排便時にトイレットペーパーに血が付着する程度であれば問題ありませんが、便器が真っ赤になるような出血があった場合は、当院へご連絡下さい。

大腸ポリープのよくある質問

 

大腸ポリープ除去にかかる費用は?

日帰り大腸ポリープ切除では1割負担の方で自己負担分は約5,000から10,000円、3割負担の方で、約15,000から35,000円程度となります。ポリープの個数や場所などによって費用が異なります。

大腸ポリープはどのくらいで癌になりますか?

大腸ポリープが大腸がんに進行するまでの時間は、ポリープの種類や大きさ、細胞の異常度合い(異型性)、個人の健康状態や遺伝的要因などによって大きく異なります。通常は、ポリープが癌化するまでは数年はかかるといわれていますが、ポリープの大きさによって大きく異なります。

大腸ポリープは取った方がいいですか?

大腸ポリープといっても色々と種類がありますが、癌化するポリープは主に腺腫と大腸鋸歯状病変といわれる種類です。それらのポリープは将来的に癌化する可能性があります。一般的に切除の対象は6mm以上の腺腫や鋸歯状病変で、将来的な大腸がんの予防のためにも切除が薦められます。
一方で、欧米の場合は5mm以下のポリープもすべて切除して、大腸を完全にきれいな状態にする「クリーンコロン」という考え方が主流です。当院でもポリープを可能な限りすべて切除し、クリーンコロンを目指すことは、大腸癌の予防という点で優れていると考えています。
ただし、S状結腸や直腸にみられる「過形成性ポリープ」は切除を行う必要はありません。

大腸ポリープ切除後、何日休まなくてはいけませんか?

大腸ポリープ切除は、2センチ程度までの大きさのポリープであれば日帰りポリープ切除が可能です。しかしそれ以上のポリープであれば1泊2日の入院で切除をお薦めしています。その際、2日ほど入院治療にかかります。
また切除の後は1週間程度はいくつかの注意事項を守っていただければ通常通りの生活が可能です。

注意事項は以下の通りです。

  1. 飲酒をしない。
  2. 重いものを持ったり、お腹に力がかかる作業をさける。
  3. 激しい運動をしない。
  4. 飛行機に乗らない。

大腸ポリープが悪性になる確率は?

5mm以下のポリープ

5mm以下のポリープは、がん化するリスクが低いとされています。様々な報告がありますが、癌化する確率は1%未満と考えられており、日本では一般的には経過観察が推奨される場合が多いです。

5mmから1cmのポリープ

5mmから10mmの腫瘍性ポリープでがんを含む割合は、約1%から約10%の範囲とされています。ポリープのサイズ、形状(絨毛性か非絨毛性か)などにより確率は変動します。

1cm(10mm)のポリープ

1cmのポリープは、がん化するリスクが増加します。1cmを超える場合は、約10%程度が既にがん化している可能性があります。このサイズのポリープでは、積極的に切除し、病理学的検査を行うことが一般的です。

2cm以上のポリープ

2cm以上のポリープは、さらに高いリスクを持っています。このサイズのポリープでは、がん化の確率が20~30%以上に達することがあり、中には40%近くががんを含むと報告されています。特に、2cm以上の絨毛性腺腫はがん化のリスクが非常に高く、即時の除去と病理学的評価が必要です。

文責:東海内科・内視鏡クリニック岐阜各務原院 院長 神谷友康

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