便潜血陽性(+)判定を受けた
便潜血検査とは、便の中に微量な血液が混じっているかどうかを判定する検査です。便潜血検査の主な目的は大腸癌の早期発見です。
便潜血検査でわかるのは便に血液が混じっているかどうかだけであり、大腸がんや前がん病変の大腸ポリープが硬い便の通過する場所にあると、便が擦れて微量の出血を起こすことがあり、検査で陽性となります。痔や強く拭いたことでできた傷からの出血で陽性になることもあります。
便に血が混入した原因や出血部位を確かめるためには大腸カメラなどの精密検査が必要です。
便潜血検査の再検査はあまり意味がありません
便潜血検査で陽性となった場合、再度検査を行って陰性を確認すればよいと言われる方が時折みえます。
しかし、それはあまり意味がありません。便潜血検査が陽性となった方は約半数に大腸ポリープがみつかり、約4%で大腸癌がみつかるとされています。
再検査を行って、陰性になったからといっても癌の存在が否定できるわけではなく、必ず大腸検査を受けられることをお薦めいたします。
便潜血陽性(+)で考えられる疾患
- 大腸がん
- 大腸ポリープ
- 痔
- 潰瘍性大腸炎、クローン病など
便潜血検査が陽性となった場合では、大腸がんや、放置することで将来的にがん化する可能性の高い大腸ポリープなどが考えられます。また癌以外でもさまざまな疾患が隠れていることがあります。
便潜血陰性(-)でも
大腸がんの可能性があります
便潜血検査の特異度は約90%といわれています。
便潜血検査は主に健診などで広く用いられている方法で、特異度は約90%といわれています。
これは、裏を返すと10%程度の確率で大腸癌があっても便潜血の結果は陰性という結果になってしまうということです。
つまり、便潜血検査陰性でも、大腸がんや前がん病変の大腸ポリープが隠れている可能性があります。
便潜血検査は出血の有無を調べる検査であり、大腸がんや大腸ポリープには出血を伴わないこともあります。
陰性であっても油断せず、不調がある、またはリスクが高い場合には、一度ご相談ください。
便潜血検査にかかわらず検査を受けたほうが良い方
- 血縁に大腸がんの方がいる。
- 過去に腫瘍性ポリープ(腺腫など)を切除したことがある。
- 大腸がんの既往がある。
該当する方は定期的な大腸検査を受けていただくことをお薦めいたします。
便潜血陽性(+)判定を受けた方は必ず
大腸カメラを
便潜血反応が陽性だった場合は放置せず、早めに大腸カメラを受けることが重要です。便潜血検査が陽性となった方は約半数に大腸ポリープがみつかり、約4%で大腸癌がみつかるとされています。大腸ポリープは大腸癌になる可能性のある病気ですので、いずれも治療の適応となります。
大腸カメラは、先端にカメラがついた内視鏡スコープを肛門から挿入し、大腸全域の粘膜をすみずみまで詳細に観察する検査です。出血している場所の発見、組織採取による大腸がんなど多くの疾患の確定診断、止血処置、前がん病変の大腸ポリープ切除までが可能であり、検査・確定診断・治療と予防ができます。
大腸癌は早期発見・早期治療で完治が可能な病気です。
一番大事なことは異常があればなるべく早く検査をうけることです。
検査に対する不安や心配があれば当院に一度ご相談ください。
文責:東海内科・内視鏡クリニック岐阜各務原院 院長 神谷友康