生理の量が多くてお困りの方へ|岐阜各務原市の東海内科まで

生理の量が多い(過多月経)

下記のような症状はありませんか?

生理の量が多い(過多月経)

  • 通常よりも月経血量が多い(生理の量が多い)
  • 生理期間が8日以上続く
  • 生理の際に血のかたまりが見られる

生理は医学用語では月経といいます。月経血量が多い場合や期間が長い場合は過多月経の可能性があります。

目次

 


 

過多月経とは

過多月経とは過多月経とは、月経(生理)の出血量が多いか、月経期間が長い状態を指します。具体的には、1回の月経で150ml以上の出血がある場合や、月経が8日以上続く場合に該当します。
過多月経は、ただ多いだけでなく、出血量が多すぎることで生活の質(QOL)に影響を及ぼしたり、貧血を引き起こす原因となったりします。特に、日常生活で以下のような症状がある場合は、過多月経の可能性が高いとされています。

  • 頻繁にナプキンやタンポンを交換する必要がある(2〜3時間ごとなど)。
  • 夜間にナプキンを交換する必要がある。
  • 血のかたまり(直径2.5cm以上)が見られる。
  • 出血が7日以上続く。
  • 月経の出血量が多く、日常生活に支障をきたす。

 


過多月経の原因は?

 

1. 子宮筋腫

子宮筋腫は、子宮の筋層に良性の腫瘍ができる状態です。筋腫が大きくなると、月経の量が増加したり、月経期間が長くなることがあります。

2. 子宮内膜症

子宮内膜症は、子宮内膜が子宮外の部位に存在する疾患で、月経過多や痛みを伴う月経(月経困難症)を引き起こすことがあります。

3. 子宮内膜ポリープ

子宮内膜ポリープは、子宮の内膜に非がん性の成長(ポリープ)が生じる状態で、月経過多や不正出血の原因になることがあります。

4. 子宮頸がんまたは子宮体がん

子宮頸がんや子宮体がんなども、月経過多や不正出血を引き起こす可能性があります。早期発見が重要です。

5. 血液凝固異常

血液凝固に関わる疾患も、月経過多の原因となることがあります。

6. 子宮腺筋症

子宮腺筋症は、子宮内膜が筋肉層に侵入する疾患で、月経過多や月経痛を引き起こします。


過多月経の治療

過多月経の治療は原因となっている子宮筋腫などの疾患に対する治療をおこなっていきます。

1.偽閉経療法

薬剤を使用しホルモン分泌をコントロールすることで、閉経後のような状態を作り、筋腫を一時的に縮小させます。 効率的な縮小効果は3~4カ月で、連続使用は最長でも6か月間となります。

2.レボノルゲストレル放出子宮内システム(LNG-IUS)

小さなT字型の器具を子宮内に挿入します。T字の縦の部分から黄体ホルモン(LNG:レボノルゲストレル)がゆっくり持続的に放出されるようになっており、子宮内膜を薄く保つことにより出血量を減少させます。効果は低用量ピルよりも高いです。

LNG-IUSは、近い将来に妊娠を希望されない方で、40歳以上の方に薦められます。低用量ピルによる治療と比べると血栓症のリスクがないため、40歳以上の方でも比較的完全に使用できます。特に45歳以上の方では、1回挿入すれば5年以内に自然閉経になる可能性が高いため、よい適応となります。

3.低用量ピル

低用量ピルは、エストロゲンとプロゲステロンを含むホルモン薬で、月経周期を調節し、月経血量を減少させる効果があります。過多月経(異常に重い月経出血)や月経痛を軽減するために用いられることがあります。

4.非ステロイド性消炎鎮痛薬

非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)の使用

出血量を減少させるとともに、痛みを和らげる効果があります。これらは、痛みの緩和とともに、出血を減少させるために月経期間中に使用されます。

「外科的治療」

症状が重度で、薬物療法では改善が見られない場合や薬物療法で改善が見込めない、子宮がんなどの場合には外科的治療が検討されます。

過多月経(月経過多)の治療は、症状の原因、重症度、患者さんの年齢や将来の妊娠計画などによって異なります。治療の主な目的は、出血量を減少させ、月経の周期を正常化し、鉄欠乏性貧血のリスクを低減することにあります。以下は過多月経の主な治療オプションです。

- 薬物療法

  • ホルモン療法:
    経口避妊薬(低用量の組み合わせピル)やプロゲステロン療法が出血量を減少させ、周期を正常化するために使われます。また、レボノルゲストレルを放出する子宮内避妊具(IUD)も選択肢の一つです。
  • 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs):
    出血量を減少させるとともに、痛みを和らげる効果があります。
  • トラネキサム酸:
    出血を減少させるために短期間使用されることがあります。

- 手術療法

  • 子宮内膜アブレーション:
    子宮内膜を焼灼する手術で、これにより出血量が減少します。将来の妊娠を希望しない女性に推奨されます。
  • 子宮摘出術:
    最も根本的な治療法で、子宮を全て取り除きます。他の治療法で効果がない場合や、子宮に重大な問題がある場合に選択されることがあります。
  • 子宮筋腫の摘出:
    過多月経の原因が子宮筋腫の場合、筋腫を取り除くことで症状が改善することがあります。

- 鉄分補給

過多月経によって貧血を引き起こす場合があります。その場合、鉄分補給が推奨されることがあります。

- 生活習慣の改善

適度な運動やバランスの取れた食事を心がけることで、全体的な健康状態の改善につながり、症状の軽減に役立つことがあります。


よくある質問

 

生理過多はどのくらいの量だと異常ですか?

日本産科婦人科学会では、1回の月経(生理)での正常な経血量を20〜140mlとしています。したがって、1回の月経で140mlを超える出血量がある場合、それは過多月経(月経過多)と考えられます。

生理のプルプルした塊は何ですか?

生理中に見られるプルプルした塊は、主に「血の塊」または「子宮内膜の組織」です。これらは月経血の一部として排出されるもので、多くの場合は正常な現象です。

血の塊

月経血は血液だけでなく、子宮内膜の細胞、子宮頸管や膣からの分泌物、そして組織の破片も含まれています。月経中に体内で血液が凝固すると、血の塊が形成されることがあります。特に、月経の出血量が多い時には、このような塊が見られることがよくあります。通常、これらの塊は小さく(直径2.5cm以下)、特に健康上の問題を示すものではありません。

子宮内膜の組織

月経周期において、子宮内膜は卵子の着床を準備するために厚くなります。妊娠が起こらない場合、この内膜は体外に排出される必要があります。この過程で、子宮内膜の組織が塊として見られることがあります。これも月経の一部として正常に考えられます。

月経過多は受診したほうがいいですか?

月経過多の場合は婦人科に受診することをお薦めします。過多月経になると貧血を含む健康上の問題を引き起こす可能性があります。正常な月経と比べて、日常生活に支障を来たすほどの出血量が多い、または大きな血の塊が伴う場合は、特に注意が必要です。

月経過多を経験している場合は、婦人科の専門医に相談することをお勧めします。適切な診断と治療により、症状の改善と生活の質の向上が期待できます。


お問い合わせ

お問い合わせ東海内科内視鏡クリニックでは産婦人科専門医による婦人科外来を行っています。生理のことでお困りの際や気になることがありましたら些細なことでもご相談ください。

文責:東海内科・内視鏡クリニック岐阜各務原院 仙波 恵樹

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